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「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」対応 – 調達チェックシート要件へのAWSサンプル回答

デジタル庁は2026年6月12日、『行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)』(政府ガイドライン)を公開しました。本ガイドラインは「デジタル社会推進標準ガイドライン(DS-920)」の一つとして、政府機関による生成AIの安全かつ効果的な活用方法を包括的に示すものです。

第1.0版の枠組みを踏襲しつつ、対象範囲とリスク管理を実態に合わせて拡張・精緻化したのが第2.0版です。今回の改定では、対象とする生成AIが音声・画像にも拡大されたほか、セキュリティ要件の強化が盛り込まれ、調達チェックシートの要求事項も29項目から33項目に拡充されています。AWS は、政府機関の調達担当者とパートナー企業向けに、政府ガイドラインの調達チェックシートの各要件に対する回答例を提供します。この回答例は、Amazon Bedrock を活用したオープンソースアプリケーション『 Generative AI Use Cases(GenU) 』を用いた 生成AIアプリケーション に対応し、政府機関の調達プロセスとパートナー企業の提案書作成を支援します。

1.政府ガイドライン(第2.0版)の概要

政府ガイドライン策定・改定の背景

政府における 生成AI の活用は、行政サービスの効率化や質の向上に大きな可能性をもたらします。一方で、情報漏えいや不適切な出力などのリスクも存在するため、適切なガバナンスとリスク管理が不可欠です。今回の政府ガイドラインは、 生成AI の利活用促進とリスク管理を表裏一体で進めることを目的として策定されました。

第2.0版では、「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」や「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」、同法に基づく「人工知能基本計画」「AI指針」など、最新の法令・指針の動向を踏まえて内容が更新されています。主な改定点は次のとおりです。

  • 対象とする生成AIの範囲を拡大(従来のテキスト生成AIに加え、入力=テキスト・音声、出力=テキスト・画像・音声に対応。画像・動画生成やAIエージェント等もAIガバナンスの枠組みの対象に)
  • 高リスク判定のリスク軸を見直し(従来の4軸から3軸へ整理。「要機密情報・個人情報の学習等の有無」の軸を整理・統合)
  • セキュリティ確保に関する記載の拡充(ISMAP の活用、システム監査、要機密情報保護のための権限管理、生成AIの特性を考慮したログ取得 等)
  • 調達チェックシート・契約チェックシートの詳細説明を整理

調達チェックシートとは

政府ガイドラインの中核となるのが「調達チェックシート(生成AIシステム用)」(別紙3)です。これは、政府機関が 生成AIシステム を調達する際に、事業者に対して確認すべき要件を体系化したものです。チェックシートには、納入事業者のAIガバナンス、適切なインプット・アウトプットやデータの取扱い、偽誤情報の出力防止を含む品質確保、生成AIシステム特有のリスクケース発生時の対応、国民等が利用する場合の適切な取扱い(生成AIによる出力であることの表示等)、個人情報や知的財産の保護、セキュリティや説明可能性の確保といった観点から、調達時の要求事項とその対策例が整理されています。

政府機関の企画者は、この調達チェックシートを参照して調達仕様書に要求事項を盛り込み、提案書を評価します。事業者にとっては、政府が求める技術要件を明確に把握し、適切な提案を行うための指針となります。第2.0版では要求事項が29項目から33項目に拡充され、ベンダーロックイン回避のためのアーキテクチャ要件(#12)、知的財産保護の生成段階/学習段階の分離(#24, #25)、インシデント発生後の封じ込め・復旧能力(#27)が新たに追加されています。いずれも、生成AIを「導入して終わり」にせず、調達後の運用・移行・インシデント対応まで見据えた要件強化といえます。あわせて、調達契約時に確認すべき事項を整理した「契約チェックシート(生成AIシステム用)」(別紙4)、ユースケースのリスクレベルを簡易的に判定する「高リスク判定シート」(別紙1)も用意されています。

主要なポイント

[対象範囲]

  • 対象システム:本ガイドラインが対象とする生成AI(原則として入力はテキスト・音声、出力はテキスト・画像・音声)を構成要素とする政府情報システム
  • 適用開始:2026年9月1日施行(CAIO の対応事項は2026年6月30日までに必要な措置、AIガバナンスの枠組みの対象は2026年7月1日から適用)
  • 対象外:特定秘密・重要経済安保情報・秘密文書として取扱う情報、安全保障や公共の安全・秩序の維持といった機微な情報を扱う政府情報システム

[ガバナンス体制の構築]

  • AI統括責任者(CAIO):各府省庁に設置し、生成AIシステムのライフサイクルを通じた統括監理を担う
  • 先進的AI利活用アドバイザリーボード:政府横断で調達・利活用状況の把握、高リスク案件への助言、ベストプラクティスの発信等を実施
  • AI相談窓口:デジタル庁が技術的・専門的観点から各府省庁を支援

[リスク管理の仕組み]

  • 高リスク判定:3つのリスク軸(業務の性格/利用範囲/職員等による出力判断)でリスクレベルを評価
  • 調達チェックシート:調達・契約時の要件確認を体系化
  • インシデント対応:生成AIシステム特有のリスクケースへの対応体制

2.AWS のサンプル回答 – GenU を活用した調達チェックシート要件対応例

GenU の特徴

AWS では、政府機関の生成AI活用を支援するため、 GenU という Amazon Bedrock を活用したオープンソースのアプリケーション実装を提供しています。 GenU は最短10分でデプロイが完了する迅速な導入が可能で、セキュリティ・統制機能を標準搭載した安全性重視の設計となっています。また、チャット、RAG、文書生成、翻訳など多様なユースケースに対応しており、使った分だけの従量課金制によりスモールスタートでコスト効率よく始めることができます。

AWS サンプル回答の活用方法

政府ガイドラインでは、政府機関の生成AIシステムの調達時に「調達チェックシート」の活用が求められています。 AWS では、このチェックシートの各項目に対して、GenUを活用した場合の具体的な対応例をサンプル回答として提供し、政府機関とパートナー企業の皆様を支援いたします。サンプル回答の見方については補足資料をご参照ください。

GenUを活用した場合の具体的な対応例をサンプル回答

[政府機関職員の皆様へ]

  • 調達・契約時での活用:Amazon Bedrock を活用した応札企業の技術提案と AWSサンプル回答 の対応例を照合し、データプライバシー保護や有害情報制御などの重要要件への技術的実現可能性を客観的に評価

[パートナー企業の皆様へ]

  • 提案書作成での活用:調達チェックシート要件に対する Amazon Bedrock での技術的対応方針を検討し、適切な技術構成と実装方法を提案書に記載する際の参考資料として活用

3.まとめ

政府ガイドライン(第2.0版)は、安全で効果的な 生成AI 活用のための重要な指針です。 AWS のサンプル回答は、この政府ガイドラインで示された調達チェックシート要件に対する AWS としての技術的考え方と対応例をまとめた参考資料として、政府機関の調達担当者とパートナー企業の提案書作成者にご活用いただけます。

参考情報:

お問い合わせ

政府機関向けの 生成AI 導入に関するご相談は、 AWSパブリックセクター までお気軽にお問い合わせください。

免責事項

本ブログや添付資料の内容はできる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。

本ブログや添付資料はあくまで一例であり、すべての作業内容を充足するものではありません。

本ブログや添付資料は政府ガイドラインの変更・追加などにより今後修正される場合があります。

本ブログや添付資料の利用によって生じた損害等の責任は利用者が負うものとし、アマゾン ウェブ サービス ジャパン は一切の責任を負いかねますことご了承ください。

著者:

Makoto Uehara (AWS Japan, Public Sector, Senior Manager, Solutions Architect)

Atsushi Kimura (AWS Japan, Public Sector, Proposal Manager)